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冷えに悩むあなたへ、最適な解決策が重炭酸温浴法

冷えからくる不調に悩むなら。効果的な冷え対策をご紹介します。

現代社会において、私たちの心身の不調の根本的な原因の一つが「冷え」です。日本人の平均体温は過去50年で約1℃下がっています。体温が1℃下がると免疫力は30%低下し、体温が低いほど病気のリスクが高まります。科学の進歩に伴い、自然との接触が減少し、熱を生み出す能力も低下しています。これにより、病気にかかりやすくなっています。
私たちの体温を維持する基本的な要素は、エネルギーを生産するミトコンドリアです。ミトコンドリアには酸素と栄養が必要であり、生まれた熱を体全体に運ぶのは血流です。血流をコントロールするのは、自律神経の一部である交感神経と副交感神経です。この体の仕組みに働きかけて、冷えを根本から改善する効果的な方法として、重炭酸温浴が注目されています。

本記事では、冷えを解消し、体温を上げて真の健康をもたらす重炭酸温浴のメカニズムや実際のデータについて詳しく解説します。

1.こんな冷えの症状でお悩みではありませんか?

・体温が常に36℃より低い
・腰や手足、または体全体が冷えて辛い
・足が冷たくて寝つけない
・夏でも厚い靴下が手放せない
・冬になると冷えるので電気毛布やカイロなどを使う
・冷房が効いている場所は冷えて辛い
・上半身は暑いのに下半身が冷える
・汗をかけない
・風邪をひきやすい
・便秘や下痢がある
・皮膚が乾燥したり、ひびやあかぎれができやすい

2.冷えを引き起こす意外な原因、それは化学ストレス!

冷えを引き起こす原因は、運動不足によるミトコンドリアの減少やエアコンの過剰利用による自己体温調節の機会の喪失、栄養の不足による食生活の偏り、ストレスや年齢による自律神経機能の低下などが挙げられます。しかし、無意識に血流を悪化させていた大きな原因の一つが、化学ストレスでした。

毎日のお風呂で合成化学物質を含むシャンプーや洗浄剤を使うこと、合成香料や色素を含む入浴剤に浸かること、そして水道水中の残留塩素も含め、有害物質が自律神経に影響を及ぼすことが分かっています。入浴中に、広範囲の皮膚を通じて体内に吸収された有害物質は、肝臓で解毒される前に血管に入り、脂肪に蓄積します。これにより、交感神経が刺激され、血流が低下し、深刻な冷えが引き起こされます。特に女性や赤ちゃんの皮膚からの経皮吸収率は高いです。清潔好きな日本人は洗浄剤の過剰使用により肌のバリアが壊れる例も多く、傷ついた肌からの経皮毒の吸収は健康な肌の何十倍にもなります。また、昔の子供が経験してきたような病原体からも遠ざかっているため、免疫を鍛える機会も失われ、清潔と隣り合わせの危険が存在します。
女性の経皮吸収率と肌バリア
※前腕(内側)での吸収を1.0とした場合の比率
Feldmann RJ,et al:J Invest Dermatol.1967;48:181-3より一部改変

3.冷えの解消には重炭酸温浴法がもっとも効果的です

重炭酸温浴法は温泉としても知られており、ドイツでは生活習慣病の治療法としても認められています。重炭酸温浴では、中性のpHの湯中環境で重曹とクエン酸が反応し、安定的に重炭酸イオンが生成します。重炭酸イオンは皮膚を通じて血管に到達し、一酸化窒素(NO)の分泌を介して血管を拡張させ、速やかに血流を促進します。これにより、深部体温が上がります。

4.重炭酸温浴法が冷えを解消する3つのメカニズム

4.1. 重炭酸イオンを介した血管拡張物質NO(一酸化窒素)の分泌が血管を拡張する

重炭酸イオンの溶け込んだお風呂に浸かると、皮膚から吸収され、血管内で一酸化窒素(NO)の生成が促進されます。これにより、血管が拡張し、血流が向上します。重炭酸イオンの作用により、お風呂から出ても末梢の血管拡張効果が持続し、血流が良好な状態が続きます。

4.2 血流を良くして体温を上げる

一酸化窒素(NO)の作用により血管が拡張し、全身の血流が良くなります。その結果、ぬるいお湯でも体温が上昇し、心臓や血管に負担をかけずに体温を上げることができます。また水中の残留塩素を分解する作用のある重炭酸系の入浴剤であれば、化学的な交感神経刺激がありません。冷え性の方は1回の温浴でも効果を感じることが多いですが、繰り返すことで血管が開きやすくなり、冷えが解消されます。
血管拡張のメカニズム

4.3 重炭酸イオンは、合成洗剤を使わずに汚れやニオイを落とす

マイナスに帯電した重炭酸イオンが、プラスに帯電した表皮の老廃物を吸着し、化学物質を含む洗浄剤を使わずに汚れやニオイを取り除きます。交感神経を刺激して血圧を上げてしまうような化学洗浄剤を使って体を洗ったり髪をシャンプーしたりする必要がありません。洗浄と温めの役割を果たしますので、バスタイムにはただゆったりと浴槽に浸かるだけです。

5.重炭酸温浴法で冷えが改善した例をご紹介します

5.1 冷えに悩む40代以上の成人女性、3ヵ月の重炭酸温浴により冷えが改善した例

通年の冷えに悩む40代以上の成人女性19名を対象に、家庭での重炭酸温浴による冷え症状と体温の変化を検証しました。1日20分、3ヵ月間毎日の重炭酸温浴により、冷え性の症状スコアと起床時の体温は有意に改善しました(第84回日本温泉気候物理医学会学術総会 2019)。

実施期間:2018年3~6月
実施機関:医療法人社団タイオン サーモセルクリニック

重炭酸温浴による冷え改善

5.2 成人男女健常者、1ヵ月の重炭酸温浴により主観的冷え症状が改善した例

成人男女60名を対象に、家庭での重炭酸温浴による冷え症状への効果を検証しました。1日20分、平均週5回の重炭酸温浴により、主観的冷え症状は有意に改善しました(自社データ)。

実施機関:2022年12~1月
実施機関:社会医療法人財団慈泉会 相澤病院

重炭酸温浴による冷えの評価


5.まとめ

冷えは万病のもとですが、重炭酸温浴法は最も確実で手軽な冷え対策方法です。重炭酸イオンが血管を拡張し、交感神経と副交感神経を調整し、血液の循環を良くします。これは現代社会の冷えの問題に対し、根本から取り組み、不調や病気対策の土台となります。
重炭酸温浴法で冷えを解消し、体温を上げて、真の健康生活を享受しましょう。

筆者・奴久妻 智代子

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