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研究・臨床結果一覧

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  • 重炭酸温浴
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カテゴリー 論文/研究タイトル 掲載年 著者 掲載誌/
発表学会名
概要 論文ファイル
1 重炭酸温浴 1 Traditional Japanese style bathing may contribute to good health and longevity 2016年 安保徹(新潟大学名誉教授) Scientific Researh 重炭酸入浴により、入浴後もしばらく深部体温の上昇が維持され、重炭酸入浴の実施後、静脈血の見た目の色調は暗褐色から鮮やかな鮮紅色へと変化が認められました。
さらに、静脈血中の顆粒球とリンパ球の比率の変化から、重炭酸入浴後一定時間は副交感神経が優位となる可能性が確認されました。
2 重炭酸イオン入浴剤の効果とその製剤技術の開発 2015年 佐藤和恵(昭和大学教授) Fragrance Journal 重炭酸入浴により、全身の血流量が上昇し、重炭酸イオンを浴びるシャワー浴においても、同様の血流上昇が確認されました。重炭酸入浴後は皮膚の伝導度が高まり、肌のうるおいが保たれ、使用した重炭酸入浴剤(ホットタブ)には、抗酸化作用ならびに残留塩素を除去する効果もあることが確認されました。
3 中性重炭酸イオン入浴剤を用いた全身浴が生体にもたらす効果 2018年 奴久妻智代子(医療法人社団タイオン サーモセルクリニック) Fragrance Journal ・重炭酸入浴により、末梢血中のリンパ球比率増加を確認。
・重炭酸入浴により、血液状態が変化(赤血球の連鎖状態が改善され、血液が流れやすい状態に)。
・重炭酸入浴により、深部体温上昇を確認。
・重炭酸入浴の反復により、自律神経バランスを改善(副交感神経を優位に)。
4 Cabon Dioxide-Rich Water Bathing 2005年 入江秀和(京都府立医科大学) Circulation 重炭酸入浴により、重炭酸イオンが血管内に浸透して血管内皮細胞内酵素eNOSに作用。NO産生を活性化、虚血肢の血流改善が確認されました(マウス実験による)。
5 反復重炭酸泉温浴が冷え、睡眠の質の改善にもたらす効果 2019年 奴久妻智代子(医療法人社団タイオン サーモセルクリニック) 2019 第84回 日本温泉気候物理医学会 被験者(健常成人女性19名)に対して、家庭用重炭酸入浴剤(ホットタブ)による重炭酸温浴を実施。寺澤変法及びVASスケールによる冷えレベル、ピッツバーグ睡眠質問票による睡眠の質レベルを評価、冷え及び睡眠の質ともに優位な改善が確認されました。
6 The efects of bathing in neutral biocarbonate ion water in Scientific report 2021年 齋藤一郎(鶴見大学教授) Scientific Reports ・重炭酸入浴により、血液中の重炭酸イオン濃度が上昇し、eNOS強度が高まってNO産生を促進することを確認(マウス実験及びヒトの臍帯(HUVEC)使用実験にて)
・被験者46名に対して重炭酸入浴を実施。起床時の体温上昇、ピッツバーグ睡眠質問票評価による睡眠の質改善を確認。
7 Evaluation of the benefits of neutral bicarbonate ionized water baths in an open‑label, randomized, crossover trial 2024年 齋藤一郎(鶴見大学教授)
西野精治(スタンフォード大学生体リスム研究所所長)
Scientific Reports ヒトにおける重炭酸入浴/さら湯入浴のクロスオーバー試験にて睡眠の質、ストレス、免疫機能に関する効果を評価。睡眠の質についてはアクティベーター装着による客観的計測を実施して、睡眠潜時/起床潜時の短縮が確認されました。また、企業に義務付けられた従業員への職業性ストレスチェック調査票評価にて重炭酸温浴によるストレスの改善を確認しました。
2 界面活性剤による肌バリアへの影響 1 Surfactants have multi-fold effects on skin barrier function 2015年 Emmanuelle Lemery, Stéphanie Briançon, Yves Chevalier, Thierry Oddos, Annie Gohier, Olivier Boyron, Marie-Alexandrine Bolzinger European Journal of Dermatology ヒトの皮膚片に、アニオン系・カチオン系・非イオン系を含む10種類の界面活性剤をのせて、皮膚バリアへの影響を、接触角(濡れやすさ/極性)、FTIR(角層の脂質がきれいに並んでいるか)、HPLC-ELSD(どれだけ脂質が抜けたか)で測定し、アニオン/カチオン性界面活性剤の多くは、皮脂・表皮脂質をしっかり取り去り、脂質の配列も乱す傾向にあることが確認されました。
2 Evaluation of anionic surfactants effects on the skin barrier function based on skin permeability 2019年 Mana Okasaka, Koji Kubota, Emi Yamasaki, Jianzhong Yang, Sadaki Takata Pharmaceutical Development and Technology アニオン界面活性剤が皮膚バリアをどれくらい弱らせるのかを、無毛マウスの皮膚で体系的にチェック。処理後に「どれだけ成分が通りやすくなるか」を示す独自指標(Transmission Index)で比較した結果、アニオン系界面活性剤の多くは皮膚バリアを弱め、通り道を広げやすいことが確認されました。
3 Prevention of lipid loss from hair by surface and internal modification 2019年 Sang-Hun Song, Jong Hyun Lim, Seong Kil Son, Julia Choi, Nae-Gyu Kang, Sang-Min Lee Scientific Reports 硫酸塩系界面活性剤 SLES で洗うと、髪の中の脂質(脂肪酸・コレステロール・スクワレン・ワックスエステル)がどのように失われるのか、その仕組みを種類ごとに調査、界面活性剤が内部まで入り、ミセルで脂質を連れ出すことが、内部脂質流出の大きな原因になっていることが確認されました。
3 残留塩素による影響 1 Health Effects from Swimming Training in Chlorinated Pools and the Corresponding Metabolic Stress Pathways 2015年 Jiang-Hua Li, Zhi-Hui Wang, Xiao-Juan Zhu, Zhao-Hui Deng, Can-Xin Cai, Li Qiang Qiu, Wei Chen, Ya-Jun Lin PLOS ONE 塩素で消毒されたプール水に12週間さらされたラットを用いて、体への影響を調べた結果、皮膚や目は呼吸器よりも塩素水の影響を受けやすいこと、長期曝露によって酸化ストレスが増加し、肝臓・腎臓・皮膚に軽度の炎症反応が起きること、この影響は塩素消毒によって生じ、副生成物(トリハロメタンなど)にも関係すること、が明らかになりました。塩素水への繰り返し曝露が皮膚バリア機能の低下や炎症誘発の一因となる可能性があります。
2 Changes in Breath Trihalomethane Levels Resulting from Household Water-Use Activities 2006年 Sydney M. Gordon, Marielle C. Brinkman, David L. Ashley, Benjamin C. Blount, Christopher Lyu, John Masters, and Philip C. Singer Environmental Health Perspectives 塩素処理された水に含まれるトリハロメタンは、日常的な水使用の中でも特にシャワーや入浴によって体内に吸収されやすく、10分間のシャワーや14分間の入浴では、室内空気中および呼気中のクロロホルム濃度が有意に上昇し、血液中の濃度も強く相関していました。飲水による経口摂取よりも、皮膚および吸入を介した吸収が主要な曝露経路となり得ることが明らかになりました。
3 What is the difference between water-heating methods influencing complaints of patients with skin disease? 1999年 Yukitaka Hiyama, Nobuhiko Satou Journal of Traditional Medicines 皮膚疾患患者では皮膚傷害の強い部位で40℃の微温湯でも皮膚に刺激を感じ、「しみる(しみて痛い)」、「お湯の使用後痒みが増す」という症状が、温水の加熱法として電気温水器(深夜貯蔵型)に比べガス瞬間湯沸かし器使用の場合に高頻度に認められます。この症状出現頻度の差は、残留塩素濃度が電気温水器ではガス瞬間湯沸かし器より明らかに低下することに由来するものと推測されました。
4 入浴剤に含まれる香料、色素による影響 1 Cytotoxicity of lavender oil and its major components to human skin cells 2004年 A.P Rashar, I.C. Locke, C.S. Evans Cell Proliferation ラベンダー精油および主成分であるリナロール(35%)とリナリルアセテート(51%)の細胞毒性を、ヒト皮膚細胞(内皮細胞および線維芽細胞)に対して in vitro で検証。0.25% 濃度で明確な細胞毒性を示し、特にリナロールの毒性は精油全体と同等であることから、有害性の主因成分である可能性が示唆されました。天然であっても揮発性・脂溶性の香料成分は皮膚細胞毒性を示す可能性があります。
2 Pharmacology of Natural Volatiles and Essential Oils in Food, Therapy, and Disease Prophylaxis 2021年 Nicholas John Sadgrove, Guillermo Federico Padilla-González, Olga Leuner, Ingrid Melnikovova, Eloy Fernandez-Cusimamani Frontiers in Pharmacology リナロールやゲラニオールなどの天然香料は、脂溶性で分子量が小さいため、皮膚から容易に吸収され、脂肪組織や血中に到達する可能性があり、継続的な曝露によって薬理作用を示す可能性が示唆されています。
3 The role of adenosine for IgE receptor-dependent degranulation of human peripheral basophils and skin mast cells 2018年 Yoshimi Matsuo, Yuhki Yanase, Reiko Irifuku, Kaori Ishii, Tomoko Kawaguchi, Shunsuke Takahagi, Izumi Hide, Michihiro Hide Allergology International 赤色着色料であるコチニール色素(カルミン酸)によって誘発されたアナフィラキシー反応の発症機序を一部解明。ヒト末梢血好塩基球および皮膚マスト細胞における IgE 受容体依存的脱顆粒反応においてアデノシン受容体の調整作用が関与することを示しました。色素添加の化粧品や入浴剤の継続使用により、経皮・経粘膜的に体内へ吸収され蓄積し、その量が閾値を超えると、同様のコチニール色素添加の食品摂取によってアナフィラキシーショック等の重篤な症状を起こすことが知られています。
4 The Effect of Taking Bath with Aroma Essence on Cardiac Autonomic Nerve Activity during Sleep 2001年 Michikazu Sekine, Sadanobu Kagamimori, Sakae Ohmura, Takahumi Hayashi Japanese Journal of Balneology, Climatology & Physical Medicine 若年男性で無入浴・普通入浴・ラベンダー精油入浴をクロスオーバー比較したところ、睡眠中 HRV の解析で、普通入浴は副交感↑/交感↓だが、精油入浴はその効果が中間にとどまりました。香料添加が軽い掻痒などアレルギー反応を引き起こし、それが副交感優位を弱め、生理学的リラクゼーション効果を減弱した可能性が示唆されます。
5 Fragrances: Contact Allergy and Other Adverse Effects 2020年 de Groot, A. C. Dermatitis ラベンダー、リナロール、リモネンなどを含むフローラル系香料は接触性皮膚炎の主原因のひとつ。特にリナロールおよびリモネンの酸化生成物(ヒドロペルオキシド)はきわめて感作性が高く、パッチテストでも陽性率が高いことが確認されています。空気中で酸化された香料成分は、アレルギー反応を引き起こす強力な感作物質へと変化するリスクがあります。

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